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微量要素について

多量要素と微量要素

作物の生育に必要な栄養素のうち
作物体内に約0.1%以上存在するものを多量要素、0.01%以下のものを微量要素と言います。
多量要素には窒素、リン酸、加里、マグネシウム(苦土)、カルシウム、硫黄などがあり、微量要素にはマンガン、ほう素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンなどがあります。
いずれも作物の生育には必要不可欠な栄養成分です。

微量要素の役割…大工さんの大工道具?

微量要素は、作物の体内で主に代謝酵素の補酵素として働いています。
補酵素は大工さん(酵素)のもつ大工道具にたとえられ、それ自体は構成成分にはなりませんが、酵素(大工)は補酵素(道具)がないと働けないと言う大切な役割をしています。

微量要素欠乏の圃場が増えています

微量要素は作物収穫による持ち出しと、雨による流亡などで圃場から徐々に少なくなっていきます。多量要素は通常、化成肥料などで補われますが、これらには微量要素が含まれていることが少なく、微量要素が十分に補われないままに栽培が続けられます。
このため多くの連作圃場では微量要素の欠乏土壌が増えています。

人間と作物に必要な微量要素とその働き

成分
(Fe)
亜鉛
(Zn)

(Cu)
マンガン
(Mn)
ほう素
(B)
人体 1日に6.5~7.5mg必要 1日に8~9mg必要 1日に0.6~0.8mg必要 1日に4mg必要 1日に1~13mg必要
人体に対する働き・存在部位
  • 血液中の酸素運搬
  • 貧血の予防・造血作用
  • 生殖機能の維持
  • 活性酸素の抑制
  • 酵素の補因子
  • インスリンの貯蔵と放出
  • 創傷(キズ)の治癒
  • 男性ホルモンづくりに関与
  • 酵素活性に関与
  • 造血作用、貧血防止
  • 銅酵素の構成成分
  • 脂質代謝に関与
  • 心臓血管系・免疫機能の維持
  • 鉄の代謝
  • 新陳代謝、生長促進への関与
  • 骨や歯の形成、維持
  • 生殖機能の正常化
  • 炭水化物や脂質の代謝
  • 糖代謝や脂質代謝
  • 糖タンパク質合成酵素の活性化
  • カルシウムの運搬(体内転流)
  • 脂肪の代謝
  • 炭水化物・タンパク質の代謝に関与
  • 骨の成長に関与
  • リウマチの緩和
人体に欠乏すると
  • 貧血
  • 生長が止まる(小人症)
  • 貧血
  • 味覚障害・嗅覚障害
  • 皮膚炎・毛髪異常
  • 貧血、毛髪異常
  • 骨や動脈異常
  • 脳障害
  • 欠乏で発育不全や愛情能力の欠如
  • 生体の代謝異常
多く含む食品 ホウレンソウ
ダイコン葉などの緑色野菜
レバー
魚介類
ホウレンソウ
ニンジン
アスパラガス
魚介類(カキ・アサリ)
海藻類
ダイズなど
マメ類
キュウリ
パセリ
イチゴ
カキ
リンゴ
マメ類
レバー
魚介類
緑黄色野菜
キクラゲ
パセリ
ゴマ
ダイコン
ニンジン
エダマメ
ダイズ
海藻類
植物に対する働き
  • 葉緑素の生成に関与
  • 光合成に関与
  • 成長促進、新陳代謝に関与
  • 酵素反応に関与
  • アンモニアの利用に関与
  • 葉緑体の合成
  • 酵素反応に関与
  • 葉緑素の生成に関与
  • ビタミンCの生成に関与
  • 光合成に関与
  • 生長促進
  • 酵素タンパクの構成成分として多くの酵素反応にかかわる
  • 葉緑素の形成
  • 細胞壁の補強
  • 細胞壁の構造維持
  • カルシウム・糖の運搬

参考

  • 渡辺和彦著:作物の栄養生理最前線 ミネラルの働きと作物 人の健康 社団法人農山漁村文化協会 2006
  • 高橋英一著:ここまでわかった作物栄養のしくみ 社団法人農山漁村文化協会 1993
  • 中嶋常允著:土を知る 地湧社 1985
  • 谷腰欣司著:ミネラルのはなし 日本実業出版社 1997
  • ミネラルガイド ら・べるびぃ予防医学研究所 2003